着物保管(防虫剤編)
防虫剤を考えてみます。まず、防虫剤は、揮発性を持ちますので、また、その成分は空気より重いので、下に沈んでいきます。だから、防虫剤は、衣類の上におくと効果的です。ただ、着物には触れないように、たとう紙の上におきましょう。防虫剤の併用は、避けたほうがいいです。
防虫剤の種類には、
①樟脳(しょうのう)
②ナフタリン
③パラジクロルベンゼン
④ピレスロイド系
があります。
異なる防虫剤を使うとお互いが影響し合い、薬剤が溶けて、衣類にシミついたりしますので、気を付けてください。ただ、ピレスロイド系は、どの防虫剤とも併用できます。ということは、樟脳・ナフタリン・パラジクロルベンゼンは一緒には使えません。
①樟脳は、クスノキから水蒸気蒸留で得られる製油成分です。樟は、「楠」という意味です。自然の防虫剤とも言えます。臭いは、自然の芳ばしい臭気があります。殺菌効果があり、ほとんどの衣類に使用できます。ただ、金糸、銀糸、金箔には直接触れないようにしてください。
②代表的な衣類の防虫剤はナフタリン。そう言えば、昔はナフタリンばかりでした。あの臭いは、忘れられません。直接手でさわると皮膚が赤く腫れたり、炎症を起こすこともあるので気を付けたいです。揮発性の薬剤です。何度もお伝えしますが、防虫剤の併用はしないでください。防虫剤を替えるときは、虫干しをして、タンスの引き出しもしっかり干して、薬剤を取り除いてから行なってください。
③防虫剤のパラジクロルベンゼンは、揮発性でも、拡散が早い物質です。タンスやクローゼットの隙間から部屋に拡散し、部屋に充満するという感じです。金糸や銀糸、ラメなどは黒く変色してしまう可能性があります。
④ピレスロイド系の防虫剤について。ピレスロイド系は、除虫菊というキク科の植物の花部から抽出された殺虫成分の物理的な性質や生物効力を化学的に改良した一群の化合物の総称です。無臭で、家庭では、蚊取り線香などに使われています。他の防虫剤との併用ができ、タンスや衣装ケースに適しています。
防虫剤は、どんな虫に効くか、というよりも、衣類の種類や、住まいの環境にあったものを選んだほうがいいかもしれません。多少、人間に害を及ぼすものですから、防虫剤の成分表をよく読んで、ピレスロイド系以外の併用を避けたり、衣類に直接触れないようにしてください。
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