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HINOKIRIとは

HINOKIRIとは、ヒノキと桐の合板を「ヒノキリ」と呼びました。

ヒノキリ断面図.jpg

断面図を見ると、こうなっています。

この合板を作ることで、大切な着物をヒノキが外敵から守ることを実現しました。

この構造で、大切な着物を守ることができるのです。

 

HINOKIRI開発の思い

開発への経緯

現代、着物は、生活の多様化から、普段着としてではなく、特別な日のための晴れ着として着用されています。その日は、晴れの日と呼ばれるような日です。年に何度もくることがないような日です。昔は、毎日着ていた着物ですが、近年では、この晴れの日にしか、着物を着ることがない、という時代になってきました。そうすると着物は、タンスの中に保管されている期間の方が、長くなってきます。タンスの中に長く保管されているということは、タンスには、より一層着物を守ることができる精密さや、機能性が要求されてくるということになります。

ただ、残念なのは、着物の大敵である、害虫やカビは、タンスの中で、発生してしまっているという事実です。「タンスから出してみると、カビだらけだったので、カビを取ってください。」という、お客様からのご依頼は、後を断ちません。これは、本来、タンスは、着物を守るべきものなのに、反対に、タンスの中で、カビをはやしてしまったというたいへんに残念な事例です。

そこで、今までいろんな着物を見てきて、私は、「着物を美しく着用するには、保管である」ということに、たどり着きました。保管状況を良好にするだけで、次回の着用は、憂うことなく行うことができるはずです。着物を楽しんでいただくことができるのです。それには、タンスが、着物を守る要塞ともいうべき、着物を保護するための機能を持つことが重要であると感じております。

そこで、害虫にも、カビにも強い衣装ケースの開発、販売をして、着物を楽しんでいただきたいと思いました。

 

防虫・防カビの効果を期待

そこで、カビを防ぐことについての考察です。カビは、どうやって発生育するのかを考えてみます。カビは、胞子が、空気中に浮遊したり、人間の体や衣服に付着して、生育できる場所に移動します。環境がよければ、住みつき、根を張って、生育していきます。カビには、胞子という種子のようなものが存在するということです。

その胞子は、「湿度」、「温度」、「栄養」、「酸素」の生育活動条件のもと育っていきます。これが、「カビ繁殖の四大条件」です。具体的な数値を表しますと、湿度は50%以上でカビが活動し始めます。そして温度は25〜30°Cがカビの生育適温です。栄養分は、タンパク質、炭水化物、アミノ酸、脂肪、糖分を摂取して生育します。栄養と考えられるのは、衣服に着く、垢、フケ、皮脂、付着した食べ物などです。そして、酸素があるということです。

この四大条件のいくつかでも阻止することができれば、防カビが期待できます。カビをなくしてしまうことができなくても、カビの育成を極端に抑えてしまうことができます。カビを発生させないということは、カビの発生栄養素の排除(片付ける前にクリーニング)をし、適度な湿度(湿度50%以下)を保ち、適度な温度管理(温度が25℃以下に抑える)で、カビの発生を極力抑えることができると考えます。

 

東濃檜を使用すること

ここで、着目したのは、檜材です。衣装ケースやタンスに、檜材を使用するということです。檜は、様々な研究成果を見てみますと、調湿性・断熱性にたいへんに優れています。

もともと、木材には、空気中の水蒸気を細胞壁に吸着したり(吸湿)、細胞壁から空気中に放出したり(脱湿)できるなど、周囲の湿度のばらつきを抑える機能が備わっていますが、檜は、その他の木材に比べると、はるかに性能のいい材質です。

そして、木材は、熱を伝えにくく、断熱性が高い材質です。鉄やポリ素材などの他の物質とは比べ物にならない熱伝導率の低い木材の中でも、檜は、特に性能(熱伝導率が低く、断熱性が高い)の良さを、一般的な研究では表されています。

また、「フィトンチッド」という研究がされています。これは、植物が臭いを主とした様々な成分を発することで、他生物を殺す能力を有するというものです。これは、植物が、自らの身を外敵から守るために、植物自体が備えている能力ですが、その研究の中でも、檜の香りは、どの植物にも負けることのない、菌や害虫に対する殺傷成分があるとされています。

つまり、檜を使用することで、「調湿性」「断熱性」「抗菌性」の効果が期待できます。また、フィトンチッドの研究によると、害虫の「防虫性」の効果も大です。また、檜が発する香りは、人間にはリラックスできる効果もあるとの研究結果もあります。まさに、檜は、衣類の保管や人間の生活の質的な向上にも役に立つ木材です。

そして、私が住んでいる地域には、世界に誇れる檜があります。岐阜県東濃地域には、神宮備林と呼ばれる檜の国有林があります。この地域からは、千数百年にも及ぶ歴史のあいだ、式年遷宮がおこなわれている伊勢神宮のご神木が、切り出されているのです。この檜は、日本人の心の故郷に、ともなろうとする建築物に使われる檜です。その檜と同じ地域から産出される「東濃檜」を、この衣装ケース素材として使用することで、衣装ケース素材としての東濃Hinokiブランドを広く発表したく思いました。

この開発をしていく過程において、「調湿性」、「断熱性」、「防虫性」、「抗菌性」について、改めて、検査及び試験をします。そして、市場に納得してもらえる試験結果をもって、効能を伝えてまいります。

 

より実現可能な開発をすること

ただ、檜にも欠点があります。ヤニが出てくる可能性があります。そこで、着物に、直接ヤニが触れてしまわないように、東濃檜と桐の合板を開発して、衣装ケースを製作します。そして、この合板を作ることで、内側は桐材、外側は東濃檜材でできた衣装ケースを作ることができ、害虫やカビ胞子の侵入を防ぎ、カビを生育させない調湿性や断熱性に優れた衣装ケースが出来上がります。着物を安心して保管していただくことができる衣装ケース及び、タンスになるのです。

 

そして現在、衣装ケースやタンスは、桐材が高級素材と呼ばれています。この活動をすることで、衣類保管に、最も優秀であるとの研究結果がある東濃檜材が、タンスの最高級素材として、今後世に広まっていき、衣装ケースやタンスに使われていくような、東濃檜材の開発をしていきたいのです。

嵯峨乃や 大森将人

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